架台とは、太陽光パネルを屋根や地面などに固定し、台風や突風、積雪、地震などに耐えられるように支えるものです。
屋根一体型パネルなど特殊なもの以外では、必ず架台が必要です。架台を設置しなかったり、強度が弱かったりすると、思わぬ事故につながる可能性もあります。
ただ、パネルを気にするお客さまは大勢いても、架台を気にする方はあまりいないのが現状。
ここでは、重要でありながらあまり注目されない架台について、詳しくご紹介します。
架台は太陽光発電システムにとって大切な部品

太陽光発電システムにとって最も重要なパーツは、言うまでもなく発電を行う太陽光発電パネルですが、それを支える架台もとても重要な部品です。
なぜなら、架台の種類や設計の違いでシステムの発電効率や強度、コスト、安全性、耐塩害性などが変わってくるからです。
また、架台にはパネルを支える用途のほかに、従来は太陽光発電を設置できなかった場所に設置する、発電効率を上げるなどの機能もあります。
以前は、太陽光発電と言えば決まった形状・材質の屋根にしか設置できませんでしたが、普及に伴って色々な環境に対応する架台や金具が開発されました。
今では特殊屋根や脆い屋根、屋上、平地、農地、水上、壁面など、さまざまな場所で効果的な発電を行える架台が次々と登場しています。
架台に合わせた設置工事をしないと危険
架台そのものの性能だけではなく、設置工事も重要なポイント。
どんな架台を使うか、どんな工法で設置するか、どんな処理をするのかは施工会社に一任されることが多いですが、架台に合わせた丁寧な設置工事を行わないと、発電効率が落ちるどころかシステム全体がダウンしたり、突然パネルが倒壊したり、最悪のケースでは他人に被害を及ぼしてしまう可能性もあります。
特に、屋根に設置する場合は、不具合があれば頭上から落ちてくる危険性があるため安全性が重要視されますし、産業用の大容量システムでは問題が起きれば大量のパネルが散乱する事態になります。
長期にわたって安全を確保しメンテナンスの手間を減らす意味からも、経験豊富で実績の多い施工会社を選ぶことは重要です。
架台の材質・重さは、特に既築の場合に重要!
太陽光発電システムは、基本的にメンテナンスが必要ありません。ですので、架台もそれに合わせて何十年も野ざらしで使えるように設計されています。
パネルの向き・角度がずれると発電効率に直結するため、それを数十年維持できるように、架台は耐久性や安全性を重視して作られるのです。
ただ、太陽光発電は屋根の上に設置することが多いので、重量がありすぎても問題になります。
軽量化と耐久性は相反する問題ですが、昨今の研究開発によって素材自体の軽量化や構造の簡略化が進み、同時にコスト削減や施工期間の短縮も可能になりました。
既築でも対応できるよう、軽量化が進んでいる

新築の家ならば、最初から太陽光発電システムを設計に組み込むことができるので、耐震性や家屋の耐久性を気にせず設置できます。
しかし既築に設置する場合は、建築時にパネルを載せることを想定していないため、耐震性や耐久性への影響を考える必要があります。
もっとも、太陽光パネルは一般的に思われるよりも軽く、陶器瓦に比べると1/3~1/4の重さしかありません。
また金具や架台の工夫によって重量は分散されますので、問題になることはそうそうないのが現状です。
築年数があまりにも古い、もともと屋根材の強度が心配などの場合は、あらかじめ耐震診断を受ければより安心できます。
また、パネルを設置した後に屋根の修繕や葺き替えを行う場合、太陽光パネルは一時的に外す必要があります。
取り外し、一時保管、再接続などにも費用がかかるため、屋根材の傷み具合や耐用年数によっては、太陽光発電を設置するのに合わせて葺き替え工事を行った方がコスト的にメリットがあることも少なくありません。
足場や職人の手配など、共通しているコストもありますので、将来葺き替えや塗装工事を予定している場合は同時施工をご検討ください。


